65歳以上の3人に1人が認知症またはその予備軍であると言われています。
統計的には、自分が60歳になった時、両親のどちらかが認知症である可能性が高いことになります。
個人的な話で恐縮ですが、私の母も、足の骨折を機に亡くなるまでの数年間、認知症に悩まされていました。
その間、何の対策もなく、家族はただうろたえており、最終的に介護施設、そして入院という方法をとらざるを得なかったのは、認知症が治らないという思い込みのせいだったと思います。
このたび、竹内孝仁博士の「ボケの8割は水・便・メシ・運動で治る」という本に出会い、それまでの思い込みを後悔するほどの念にかられたことから、その内容のあらましをここでお伝えすることにしました。
一般的に論じられているように、40代半ばから認知症のタネは育ち始めていて、それは炎症・栄養不足・毒素であり、さらには歯の手入れ、夜更かし、果ては家のカビまでもが影響しているという事実です。
これらは、もちろん気を付けるべき事柄ですが、実際の生活にどのように活かすべきかわかりにくいというのが本音ではないでしょうか。
竹内博士の説に戻ると、本のタイトルにもある通り、「水・便・メシ・運動」がもっとも大切であり、認知症の改善だけでなく、予防にとっても意義のある生活習慣であることがわかります。では、もう少し具体的に見ていきたいと思います。

1 認知症の実際

脳の障害が認知症の原因だと信じられていますが、実は、そのような医学論文は皆無とのことです。このように決めつけられた背景には、業界の利権が大きくかかわっている可能性があります。
脳は、身体のあらゆる部分とつながっており、脳の特定の一部が損なわれただけで障害を起こすわけではないのです。
また、もの忘れと認知症は結び付けられやすいですが、それを自覚している場合は単なる「もの忘れ」に過ぎず、本当の認知症は、もの忘れの実感すら無いようです。また、日常への支障が出るほど激しく、しかもそれが進行する、というのが認知症特有のケースです。
具体例をあげると、旅行に行って、食べたものを忘れるのは加齢による単なるもの忘れとして誰にでもあることで、認知症の始まりではありません。
これに対し、旅行に行ったことをすっぽり忘れているようなことが認知症だということです。

2 認知症のメカニズム

そもそも「認知」とは、ここはどこで(認識)、自分はなぜここにいて(理解)、どうすればいいか(判断)ということをいいます
たとえば、朝目覚めたら、そこが自宅であることを認識し、目が覚めたのだと理解し、朝のしたくをしよう、と判断するわけです。
これらが欠けるのが認知症であり、その意味では、病院の認知症テストはあまり適切ではありません。若い人であってもこのテストに対応するのは難しいそうです。
それどころか、「あなたは認知症です」と決めつけることでストレスを感じ、本当の認知症になる可能性すらあるようです。

3 認知症の対策

ここで認知症改善に有効な「水・便・メシ・運動」の話になります。
これは認知症の場合だけでなく、その予防に際しても欠かせないことを覚えておいてください。
① 水がもっとも重要
水を飲むだけで認知症が治ってしまう症例がたくさんあります。それほど充分な水の摂取は大切です。水は認知のレベルを上げます。
一見両者の関係は理解しにくいですが、たとえば熱中症は水分不足だと納得できるけれど、認知症は水分不足だと認識されないのはおかしいと思いませんか。
1日のうち、食事でとる水分のほかに、1500㏄の水分を人間の体は必要としています。
もちろん、一度にそれだけの水分をとるのは危険ですが、何度にも分けてとるように習慣付ければ案外できるようです。
また、これはお茶やジュースでもよく、これなら摂取のハードルを下げることが可能です。
ただし、アルコールは利尿作用があるため、逆効果です。
水分の摂取で尿失禁や夜間頻尿が心配になりますが、むしろ無くなることの方が多いようです。
また、次にお話する便秘の解消にも水を飲むことは効果的です。
② 便秘は大敵
介護現場では、「認知症に便秘は大敵」と言われています。
それは、「気分」の良し悪しが認知に大きく影響するからです。便通は気分と強くつながっています。
③ 栄養をとること 
低栄養は寝たきりと認知症を引き起こす要因といわれています。
認知症患者は、食べることに興味・関心を示さなくなることがありますが、ケースバイケースで食に向かわせる工夫が必要になるでしょう。
1日3食、タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルなどを含むバランスの良い食事で1500キロカロリーをとりたいものです。
④ 運動することの大切さ
「運動」と言っても、単に歩けばいいのです。寝たきりになるほど、認知症は進みます。少しずつでもかまわないので、その人に可能な運動量を確保したいものです。
⑤ 人とかかわる
仲間と趣味を楽しむ、生活の中で何らかの役割を持つなどの活動が望ましいでしょう。
ペットとのふれあいの一環で、水や食事を与える係を担当するというのも「役割」のひとつとして有効です。
最後に
認知症になった本人が真っ先に感じるのは、「今までの自分と違う自分になってしまった、自分が失われていく感じがする」というものだそうです。
つまり、認知症とは自己喪失病であるともいえるようです。
この感覚は、実際に認知症になった本人と家族でないとわからないものかも知れません。そして、本人と家族の苦しみは計り知れないものがあります。
この一文が、認知症の家族をかかえた方へのささやかな解決の糸口になれば幸いです。
〈2023 .3〉
【参考文献】
ボケの8割は「水・便・メシ・運動」で治る (竹内孝仁著 廣済堂出版)
認知症にならない最高の習慣         (山根一彦著 新潮社)
【追記】
コマーシャル臭を避けるため、本文では紹介を控えましたが、水分補給に際し、弊社の「ムーぐい呑み茶碗」は1回の飲用に適量が入る様工夫されています。しかも、Muの波動が体にも良い影響を与えます。お試しいただければ幸いです。
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